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船速の関係を示す。図3.1.2)-1にはHSC Codeによる高速艇の定義線【注】も併せて示している。
【注】HSC Codeでは、排水容積を基本として高速艇を定義しているが、表3.1.2)-1の建造実績には排水容積が記されていないため、ここでは以下のようにJastrzebskiによる単胴高速艇の排水量と船長の関係[7]を用い単胴高速艇を定義した。

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図3.1.2)-1より国内で高速旅客艇と云われている船舶は何れもHSC Codeで定義される高速船に分類されることがわかる。また、図3.1.2)-1より船長が40mを越える大型の高速艇はその隻数が少なく大部分の高速旅客艇が船長25m辺りに分布していることがわかる。図3.1.2)-2に船長と船幅の関係を、図3.1.2)-3に船幅と喫水の関係を示す。図3.1.2)-2及び図3.1.2)-3から高速旅客艇の船幅は5〜6mのものが多く喫水は1m前後となっていることがわかる。

 

(2)原型船型の選定
図3.1.2)-1〜3.1.2)-3のデータをもとに理論検討を行う上での原型船型を以下にて設定する。
(a)船長:建造実績船は25m前後のものが多いが高速旅客艇の将来的な大型化を想定しL=30.0mとする。
(b)船速:図3.1.2)-1における船長と船速の関係からL=30mにおける船速を読み取りVs=25knotsとする。
(c)船幅:図3.1.2)-2における船長と船幅の関係からL=30mにおける船幅を読み取りB=6.3mとする。
(d)喫水:図3.1.2)-3における船幅と喫水の関係からB=6.3mにおける喫水を読み取りd=1.1mとする。上記に基づき、原型の主要目は次の通りとした。
原型船型の主要目:L×B×d=28.5m×6.3m×1.1m
尚、排水量、Cp及びlcbは上記要目にて高速旅客艇の軽荷重量及び載貨重量を推定した上で下記とした。

△=82ton、Cp=80、lcb=58.5%(fromF.P)

(200人乗り高速旅客艇を想定。横浜ヨット建造「さんらいなあ」相当。)
原型船型のCp/Cw曲線を図3.1.2)-4に、Body Planを図3.1.2)-5に示す。

 

 

 

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